大学を卒業してから旅行会社で働いていましたが、40代を目前にして独立することにしました。
会社の同僚と会社を設立し、高齢者向けのバスツアーや学生向けの格安旅行を提供することにしました。
駅近くの賃貸事務所が便利だと考えたので、駅から徒歩で3分という好立地なビルの一室に事務所を構えることにしました。
日本人は旅行が好きで、団塊の世代が定年を迎えたということもあり、バスツアーは定員が満員になるほど好評を博していました。
経営も安定していたと思った矢先、不動産会社からビルのオーナーから立ち退いてほしいという連絡があったという通知を貰いました。
賃貸契約は2年ごとに更新することになっていて、半年前に更新したばかりなので契約が切れるのはまだ1年以上も先のことです。
寝耳に水の話だったので驚きましたが、業務に支障が出ることを一番避けたかったので、不動産会社から新しい賃貸事務所を探してもらうことにしました。
オーナーは、ビルを壊してマンションに建て替えるつもりだということを不動産会社から教えてもらいました。
駅の周辺は開発が進んでいて、ビルよりもマンションを建てたほうが収益が上がると見込んだようでした。
このままビルにとどまろうとしても、家賃を値上げされることも考えたので、退去することを比較的早く決めました。
オーナーの都合で立ち退くことになったので、引越し費用はオーナーが負担してくれるということで、それはありがたいと思ったので納得しました。
その後、賃貸事務所を引き渡す段階になったとき、退去費用として敷金や礼金もすべて戻ってくるものだと考えていました。
しかし不動産会社からクロスや床材などに補修をしなければならないところがあったので、その分を差し引いて敷金を返すと言われました。
ビルを壊してマンションを建て替えるといっていたので、次に入居する人はいないはずなのに、どうして補修費用を差し引かれるのか納得できませんでした。
それに壁紙や床材は、入居する前から傷んでいたところも多く、そのまま張り替えずに事務所として使っていたので、その点についても納得がいきませんでした。
経年劣化だと言われましたが、賃貸事務所として借りていたのは5年ほどで、普通に使用していたら汚れるのは当然ですが、
そんな期間で補修しなければならないくらい劣化するものかと不思議に感じました。
大体、オーナー側の都合で一方的に退去することになるのに、敷金や礼金くらいは全額返金するものではないかと思っていたので嫌な気持ちになりました。
退去の知らせを受けたときに、もっとその後の詳細を話し合っておくべきだったと後悔しましたが、色々なことが納得できなかったので、
賃貸事務所からすべての荷物を出した後も物件引き渡しのサインをせずに、消費者生活センターに相談することにしました。
そうしたら弁護士に相談してはどうかとアドバイスをもらったので、依頼をすることにしました。
そうしたらやはりオーナーや不動産会社側と比べて、自分の負担が大きいことはおかしいと判断してもらったので、弁護士に交渉をしてもらうことにしました。